2011年9月26日月曜日

基調講演とワークショップ

【基調講演】 永沢哲 氏 「惑星的思考と伝統の知恵」

「修行者でもある研究者。研究者でもある修行者。彼らが、瞑想によってじぶんたちの生の経験におこった変容―それは本質的に一人称なものだ―をもとに、それを厳密なルールにもとづく三人称的な科学の実験や理論と結びつける。二一世紀の瞑想の脳科学は、東洋と西洋、一人称と三人称ということなる視点を融合し、自己組織的なネットワークや神経可塑性といった脳科学の内部で生まれた新しい理論をむすびつけるなかから誕生した。」この「瞑想と科学の結合から、新しく生まれ出た「自己変容」のパラダイムは、慈悲や直観といった人間の精神のはたらきが開き、成長する過程を、脳の活動や構造の変化といった、神経科学の言葉で表現しようとしている。このパラダイムは、もともと、たんなる知的好奇心にもとづいて生まれてきたわけではない。それは、むしろ、「惑星的思考」について、ハイデガーが語った、次のような言葉と深く響き合いながら、生まれている・・・」(『瞑想の脳科学』より)

永沢哲  (京都文教大学准教授・京都チベット医学研究会代表) 東京大学法学部卒業。宗教人類学、哲学、チベット仏教を専門とし、人間の意識、生命、神経系に孕まれている膨大な可能性をひらくことを主要なテーマとしている。主な著書に「瞑想する脳科学」(講談社選書メチエ)「野生の哲学」(筑摩書房)「野生のブッダ」(法蔵館)、訳書にナムカイ・ノルブ「夢の修行」「チベット仏教の瞑想法」(いずれも法蔵館)ダライ・ラマ「宇宙のダルマ」(角川書店)、監修にA・ミンデル「紛争の心理学」(講談社現代新書)などがある。



【ワークショップ】 小田まゆみさん「女神と共に~畏れから愛の時代へ~」

私たちは今、恐怖でいっぱいの混沌の世を生きなければならないチャレンジを受けています。今、私たちに求められていることは愛と創造力、それは自らの内なる女神を見つけ、大いなる女神たちとつながり全宇宙とひとつになることです。このワークショップではチャンティング(声明)、アート、メディテーションを使い、一人一人の内側にある聖なる女性性とつながり、自分の創造力と力、愛を養います。大地と全宇宙とひとつになり、生きるよろこびと新しい世直しのヴィジョンを見つけましょう。


小田 まゆみ (アーティスト・カリフォルニア統合学大学院名誉博士)
東京芸術大学卒業後ニューヨークのプラット版画工房で学び、数多くの国際ビエンナーレに出品。全米、日本各地で個展を開催。女神をモチーフに女性と自然とのつながりをテーマにした作品を数多く世に出し「日本のマチス」として多くの人に知られている。1992年 日本政府のプルトニウム輸送に反対し、団体「プルトニウムのない未来」をカリフォルニアと東京に設立。新エネルギー推進運動を世界に訴え、核兵器を非合法化する運動の国際法廷(在ハーグ)の運営委員を務める。現在はハワイ島の広大な有機農場「ジンジャーヒル・ファーム」で、いのちを大切にした生き方を若い人たちに教え、創造的な生活を送っている。東北関東大震災後、若い人々の里帰りを助ける「女神の里」のプロジェクトを設立。作品はニューヨーク近代美術館ほか国内外の多くの美術館でコレクションされている。著書『ガイアの園』、『女神たち』(現代思潮新社)他 http://gingerhillfarm.com/

【ワークショップ】 津村喬さん「気功」
 1964年初めて訪中して中国道教協会会長陳嬰寧に気功を学ぶ。周稔豊元天津中医薬大学教授、焦国瑞中医研究員教授、張宇西苑医院医師などに師事し中医学と医療気功を研究。全国さまざまな教室で指導にあたる。日本で初めてホリスティック医学を取り入れた病院を開設した帯津良一医師との共著『魂が癒されるとき』、編書『伝統四大功法のすべて』、著書『気功への道』など気功関連の著書多数。1993年にはNHK「気功専科2」講師をつとめる。2004年中国国家体育局によって制定された健身気功を日本に紹介し、NPO法人日本健身気功協会理事長となる。