2011年9月30日金曜日

第12回学術大会

会期: 2011年12月10日(土)~11日(日)

会場: 関西大学堺キャンパス (南海高野線浅香山駅下車30秒)
〒590-8515 大阪府堺市堺区香ヶ丘町1丁11番1号 
http://www.kansai-u.ac.jp/global/guide/mapsakai.html

大会テーマ: 「惑星的思考と伝統の知恵」


2011年9月28日水曜日

開催にあたって

第12回学術大会:「惑星的思考と伝統の知恵」の開催にあたって

村川 治彦 (関西大学人間健康学部・大会事務局長)

まず初めに、私の準備の不手際で、8月末にはお手元に届くはずであった学術大会開催の通知がこのように大幅に遅れてしまいましたこと、心よりお詫び申し上げます。加えて大会の期日が当初の予定より一週間遅い1210日、11日に変更せざるを得なくなってしまいました。すでに前の日程で予定を組まれていた会員のみなさま、特に研究発表を予定しておられた会員の方々には、多大なご迷惑をおかけしてしまうことになり、大変申し訳ございません。

さて、先の震災とそれに続く福島原発事故の影響のもと、日本社会は大きな変革期を迎えつつあります。そのなかで日本のトランスパーソナル運動はどのように社会に貢献していくのか、今その真価が問われていると思います。そこで今年の学術大会は、この学会の存在意義をもう一度考えるための機会にしたいと思います。とは言え、それは何も「東日本大震災への学会としての対応」というものではなく、もっと根源的に、この震災の影響を深く受けている私たち一人一人の魂が、もっと大きなレベルで変革を求められている地球社会で果たせる役割を考えてみたいということです。この思いから、大会テーマを「惑星的思考と伝統の知恵」とし、講演会を三部構成にして、みなさまと一緒に考える時間を十分に持てるような枠組みにしました。

まず第一部は基調講演として、京都文教大学准教授で京都チベット医学研究会代表の永沢哲さんに御講演頂きます。大会テーマ「惑星的思考と伝統の知恵」は、永澤さんが近著『瞑想する脳科学』(講談社選書メチエ)でハイデッガーを引いて述べた一節「未来の惑星のために、ことなる空間や時間のなかではぐくまれてきた思考や伝統のあいだの出会いから、新しい何かを創造する。東洋と西洋のあいだの対話から、新しい思考や知恵を生み出す」に触発されたものです。永沢さんが同書で紹介されている「瞑想と科学の結合から新しく生まれ出た『自己変容』のパラダイム」は、まさにトランスパーソナル運動が追究してきたものであり、トランスパーソナル心理学が現代社会の先端の課題にどのように関係できるかを例示してくださると思います。

 そして第二部では、永沢哲さんとハワイ在住の画家小田まゆみさんの対談を私がファシリテートしていきます。小田さんは1970年代から女神をモチーフに女性と自然とのつながりをテーマにした作品を数多く世に出し、欧米で展開された女性の精神性運動に多大な影響を与えてきた方です。同時に、San Francisco Zen Centerで瞑想を続けるなど、仏教の実践家としてJon Kabat –ZinnJoan Halifaxらとも深いつながりをもっており、まさに惑星的レベルで伝統の知恵を実践してこられた一人です。

 最後にこの講演と対談を踏まえ、第三部では「惑星的思考の時代における日本のトランスパーソナル運動のあり方を考える」をテーマに学会参加者による全体討議を行いたいと思います。宗教社会学者ウルリッヒ・ベックは『〈私〉だけの神―平和と暴力のはざまにある宗教』(岩波書店)の中で、「各個人が様々な宗教的選択肢と生育過程での経験を交換し合い、競い合い、選び直しながら、同時に彼ら『自身』の宗教的真正さを作り出し、保持」するための実践的な道こそが、「世界リスク社会」における宗教の未来を作り出すことだと説いています。世界各地の伝統的知恵の惑星的な価値を見いだしてきたトランスパーソナル心理学は、期せずしてベックのいう「近代化と西洋化を切り離し、西側諸国から近代の独占権を剥奪する」第二の近代化を推進してきました。このトランスパーソナル心理学の日本におけるこれからの展開を、この機会にみなさまと一緒に考えていければと思います。師走の慌ただしい時期ですが、是非みなさまのご参加をお願いする次第です。

2011年9月26日月曜日

基調講演とワークショップ

【基調講演】 永沢哲 氏 「惑星的思考と伝統の知恵」

「修行者でもある研究者。研究者でもある修行者。彼らが、瞑想によってじぶんたちの生の経験におこった変容―それは本質的に一人称なものだ―をもとに、それを厳密なルールにもとづく三人称的な科学の実験や理論と結びつける。二一世紀の瞑想の脳科学は、東洋と西洋、一人称と三人称ということなる視点を融合し、自己組織的なネットワークや神経可塑性といった脳科学の内部で生まれた新しい理論をむすびつけるなかから誕生した。」この「瞑想と科学の結合から、新しく生まれ出た「自己変容」のパラダイムは、慈悲や直観といった人間の精神のはたらきが開き、成長する過程を、脳の活動や構造の変化といった、神経科学の言葉で表現しようとしている。このパラダイムは、もともと、たんなる知的好奇心にもとづいて生まれてきたわけではない。それは、むしろ、「惑星的思考」について、ハイデガーが語った、次のような言葉と深く響き合いながら、生まれている・・・」(『瞑想の脳科学』より)

永沢哲  (京都文教大学准教授・京都チベット医学研究会代表) 東京大学法学部卒業。宗教人類学、哲学、チベット仏教を専門とし、人間の意識、生命、神経系に孕まれている膨大な可能性をひらくことを主要なテーマとしている。主な著書に「瞑想する脳科学」(講談社選書メチエ)「野生の哲学」(筑摩書房)「野生のブッダ」(法蔵館)、訳書にナムカイ・ノルブ「夢の修行」「チベット仏教の瞑想法」(いずれも法蔵館)ダライ・ラマ「宇宙のダルマ」(角川書店)、監修にA・ミンデル「紛争の心理学」(講談社現代新書)などがある。



【ワークショップ】 小田まゆみさん「女神と共に~畏れから愛の時代へ~」

私たちは今、恐怖でいっぱいの混沌の世を生きなければならないチャレンジを受けています。今、私たちに求められていることは愛と創造力、それは自らの内なる女神を見つけ、大いなる女神たちとつながり全宇宙とひとつになることです。このワークショップではチャンティング(声明)、アート、メディテーションを使い、一人一人の内側にある聖なる女性性とつながり、自分の創造力と力、愛を養います。大地と全宇宙とひとつになり、生きるよろこびと新しい世直しのヴィジョンを見つけましょう。


小田 まゆみ (アーティスト・カリフォルニア統合学大学院名誉博士)
東京芸術大学卒業後ニューヨークのプラット版画工房で学び、数多くの国際ビエンナーレに出品。全米、日本各地で個展を開催。女神をモチーフに女性と自然とのつながりをテーマにした作品を数多く世に出し「日本のマチス」として多くの人に知られている。1992年 日本政府のプルトニウム輸送に反対し、団体「プルトニウムのない未来」をカリフォルニアと東京に設立。新エネルギー推進運動を世界に訴え、核兵器を非合法化する運動の国際法廷(在ハーグ)の運営委員を務める。現在はハワイ島の広大な有機農場「ジンジャーヒル・ファーム」で、いのちを大切にした生き方を若い人たちに教え、創造的な生活を送っている。東北関東大震災後、若い人々の里帰りを助ける「女神の里」のプロジェクトを設立。作品はニューヨーク近代美術館ほか国内外の多くの美術館でコレクションされている。著書『ガイアの園』、『女神たち』(現代思潮新社)他 http://gingerhillfarm.com/

【ワークショップ】 津村喬さん「気功」
 1964年初めて訪中して中国道教協会会長陳嬰寧に気功を学ぶ。周稔豊元天津中医薬大学教授、焦国瑞中医研究員教授、張宇西苑医院医師などに師事し中医学と医療気功を研究。全国さまざまな教室で指導にあたる。日本で初めてホリスティック医学を取り入れた病院を開設した帯津良一医師との共著『魂が癒されるとき』、編書『伝統四大功法のすべて』、著書『気功への道』など気功関連の著書多数。1993年にはNHK「気功専科2」講師をつとめる。2004年中国国家体育局によって制定された健身気功を日本に紹介し、NPO法人日本健身気功協会理事長となる。

2011年9月9日金曜日

大会スケジュール

12月10日(土)
午前8時30分  受付 

午前9時-12時 研究発表
 (A棟4階 A402号教室)

午前9時-午前9時25分
明里知衣子 (関西大学文学研究科)
現代に生きづくヨーガの意義ータイ仏教徒のインタビューを通して

午前9時25分-午前9時50分
荒川有加  (おとだまのつかい・立命館大学応用人間科学研究科)
分化した叡智を宇宙に統合する試みー音楽・気・カウンセリング・占いからトランスパーソナルへ

午前9時50分-午前10時15分
小木曽由佳・井上嘉孝 (京都大学大学院教育学研究科)
C.G.ユング『赤の書』の方法論的検討

午前10時15分-午前10時40分
石田沙織  (明治大学大学院情報コミュニケーション研究科)
第四の意識と明晰夢

休憩

午前10時45分ー午前11時10分
岩崎美香 後藤晶  (明治大学大学院情報コミュニケーション研究科)
災害における喪失体験の考察:死の認知と受容

午前11時10分ー午前11時25分
竹重幸 (名古屋大学大学院)
生殖医療におけるチーム医療の未来地図Ⅱー生殖革命と「いのちを創る」というジレンマ

午前11時35分ー午前12時
黒木賢一  (大阪経済大学人間科学部人間科学研究科)
遍路セラピーー歩き遍路体験過程と心の変容要因

午後12時ー午前12時50分 理事会・大学院生の集まり
理事会(A410教室)
大学院生の集まり(A409教室)
昼食 (A403教室・食堂)

午後1時ー4時 
    基調講演,鼎談、全体討議 (A402教室)
第一部 基調講演: 
「惑星的思考と伝統の知恵」
               永澤 哲先生
               (京都文教大学准教授・京都チベット医学研究会代表)

第二部 鼎談:     永澤 哲先生 × 小田まゆみ先生 × 村川治彦

第三部 全体討議:  「惑星的時代における日本のトランスパーソナル運動のあり方を考える」

午後4時30分ー5時30分 総会 (A401教室)

午後6時ー8時  懇親会 (B棟 食堂)

.....................................
12月11日(日) 

午前10時ー16時  ワークショップ 
内なる女神 (多目的室A)
気功    (多目的室C)

2011年9月8日木曜日

参加申込み方法

参加申込方法 下記のいずれかの方法で以下の参加申込み情報をお送りください。

ウエブ入力: http://ws.formzu.net/fgen/S359202/
E-mail: jatp@east-westdialogue.org 
    (件名に「JATP第12回学術大会申込」とご記入ください)
FAX:   072-229-5461


JATP第12回学術大会 参加申込み
フリガナ
氏名:
所属:
住所:〒  
E-mail:
電話:
会員種別:( )学術会員・( )一般会員・( )学生会員
     ( )非会員 ・( )非会員学生
懇親会: ( )出席 ・ ( )欠席
ワークショップ: ( )内なる女神 ( )気功

2011年9月7日水曜日

参加費

-参加費-
参加費等は12月2日までに下記の口座にお振り込みください。
郵便振替口座
口座番号: 
00940-8-194033
口座名称: 日本トランスパーソナル心理学/精神医学会
(第12回大会参加費専用の口座番号です。入会金・年会費の振り込み口座は番号が異なりますのでお気をつけください)  
学術大会参加費

学術・一般会員 3000円 (当日4000円)
学生会員     1500円 (当日2000円)
非会員      4000円 (当日5000円)
非会員学生   2000円 (当日2500円)

懇親会
学術会員・一般会員・非会員 4000円 
学生会員           3000円

ワークショップ  (それぞれ定員25名) 
学術・一般会員  7000円 (当日 8000円)
非会員        8000円(当日10000円)
学生          5000円 (当日6000円)

抄録集       1500円 (当日販売)

日本トランスパーソナル心理学/精神医学会 入会案内

2011年9月6日火曜日

研究発表申込

研究発表者の資格

・発表者は平成23年度(2011年度)までの会費を完納し、大会参加費を所定の期日までに納入している学術会員、学生会員です。

・一般会員は共同発表者となることができます。

・非会員の共同発表者は、入会するか、または大会参加費を前納で支払う必要があります。その場合、学術会員連名者が非会員連名者の大会参加費を一緒に振り込んでください。

演題申し込み

一般演題には、トランスパーソナル心理学/精神医学会に関連した演題、大会テーマに関連した演題を募集します。発表はすべて口頭発表となります。メールにて、演題名、発表者名、所属、連絡先を大会事務局まで平成232011)年1020日までにご連絡ください。同時に作成要領を下記リンクからダウンロードし、それに従って抄録原稿(A4見開き2枚)を作成し、平成23(2011)年10月30日(必着)までに大会実行委員会宛にメールに添付してお送りください。

日本トランスパーソナル心理学/精神医学会第12回学術大会抄録作成要領

メールアドレス: jatp@east-westdialogue.org

なお、発表の採択および発表セッション時間については、大会事務局にご一任ください。